司法書士に相続登記を頼む費用相場
司法書士報酬の相場感、内訳の見方、相見積もりの取り方。一戸建て1物件・相続人3人の標準ケースで自分で申請する場合との費用差を試算します。
相続登記を司法書士に依頼すると、一般的な不動産1物件・相続人3人のケースで、報酬5-10万円+実費が目安です。実費(登録免許税・書類取得費)は自分で申請する場合と同じなので、「司法書士報酬の分」が追加コストになります。
ただし事務所により価格設定はバラバラで、同じ条件で見積もっても2-3倍の差がつくことがあります。相見積もりを取る前提で動くのが定石です。
報酬の内訳
基本報酬
相続登記の申請業務そのものの報酬で、5-8万円が中央値。安いところで3万円、大手や相続専門だと10万円台もあります。日本司法書士会連合会のアンケート調査(2018年)では、相続登記の平均報酬は約7万円という結果でした。
不動産数による加算
不動産が複数ある場合、2物件目以降は1物件あたり1-3万円の加算が一般的です。土地と建物は別々にカウントされるので、一戸建てなら最低でも2物件扱いになります。
相続人数による加算
相続人が多いほど戸籍の通数が増え、書類確認に手間がかかります。相続人4人目以降は1人あたり5,000-15,000円の加算をつける事務所が多いです。
戸籍収集代行(オプション)
戸籍を自分で集めるか、司法書士に丸投げするかで費用が変わります。代行依頼すると追加で2-5万円。「戸籍が多くて自分では捌ききれない」「平日に役場に行けない」という人向けです。
遺産分割協議書の作成
遺産分割協議書を司法書士に作ってもらう場合、1-3万円が相場。遺産が不動産だけならシンプルですが、預貯金・有価証券も含めると価格が上がります。
標準的なケースの総額シミュレーション
固定資産評価額3,000万円・一戸建て(土地+建物)・相続人3人・遺産分割協議書あり・戸籍は自分で収集、というケースで試算してみます。
- 司法書士基本報酬:7万円
- 不動産2物件目加算:1.5万円
- 遺産分割協議書作成:2万円
- 登録免許税(実費):12万円(評価額×0.4%)
- 戸籍取得費(実費):約1.5万円
- 合計:24万円(うち司法書士報酬10.5万円)
自分で申請する場合は約13.5万円なので、司法書士に頼むと約10万円のプレミアムになります。
司法書士に頼むべきケース
- 相続人が4人以上、または海外在住者がいる
- 不動産が3物件以上、または所在地が複数地域にまたがる
- 戸籍をたどると明治期の手書き戸籍まで遡る
- 相続人同士で軽い意見の食い違いがある(調整代行)
- 平日に法務局や役所に行く時間が取れない
- 相続税申告と一緒に進めたい(税理士・司法書士の連携)
司法書士の選び方
1. 相続専門の事務所を選ぶ
司法書士は登記全般を扱いますが、「相続専門」を打ち出している事務所は年間数百件の経験があるため、複雑なケースでも対応がスムーズです。HPで取扱実績を確認しましょう。
2. 相見積もりは2-3社で取る
無料相談・見積もりを受け付けている事務所が多いので、不動産や相続人の情報を伝えて、書面で見積もりを出してもらいます。「総額〇〇円」とまとめて出してくる事務所より、内訳まで明示する事務所のほうが信頼できます。
3. オンライン完結型もある
最近は郵送+電話/オンライン面談で完結する司法書士事務所も増えています。地方の物件でも都市部の事務所に依頼でき、相場が透明な傾向があります。実家が地方にあって自分は首都圏在住、というケースでは検討してみる価値があります。
注意点:登記費用以外の支出も視野に
相続税の申告(基礎控除を超える場合)、預貯金の名義変更、株式の名義変更など、相続関係の手続きはほかにもあります。司法書士単独で完結しない部分は税理士・行政書士に依頼することになるので、最初から相続をまとめて扱える事務所(または提携先のある事務所)を選ぶと、二度手間が減ります。
※ 記事の内容は公開時点の情報に基づきます。最新の制度や数値は法務局・国税庁・各市区町村の公式サイトでご確認ください。本サイトは情報整理を目的とした民間運営サイトで、個別の法律・税務判断は行いません。具体的な手続きは司法書士・税理士・弁護士等の専門家にご相談ください。